内部通報に対して報酬を与えるべきか?

人々に不正行為の通報を奨励するためには、従業員に金銭的報酬を約束することが妥当な策のように見えます。金銭的報酬を与えることで、懸念事項の相談を躊躇する人に、もう一つ具体的なインセンティブを与えることができます。報酬制度によって通報件数を増やすことができれば、より有効な方策となるのではないでしょうか。

しかしながら、このような奨励策によって通報を奨励すべきかどうかは、慎重に検討する必要があります。

組織としては、懸念を表明する通報者が正直かつ誠実であることが望まれます。この分野における長年の経験から言えるのは、不正行為が行われていると心から信じる人は、報酬があろうとなかろうと、必ず通報を行うものだということです。言い換えれば、報酬を約束した場合は、内部通報を行うかどうかの決定が、「正しい行為をする」ことから、コストとメリットのバランスに変わってしまいます。メリットの観点からすると、通報者は何かが深刻な事態になるまで(つまり報酬を得る可能性が高くなるまで)通報を控えることにもなりかねません。もちろんこれは、通報メカニズムの整備目標である、不正行為をできるだけ早く把握することにつながりません。

私たちは、不正行為の疑いについて自由に匿名通報を行えるという安心感を従業員に与えることが、スピークアップ(声を上げる)の文化を作る上で重要だと考えています。金銭的報酬は、従業員を奨励する正しい手段ではありません。そうではなく、各企業は、社会的な勇気を奨励する環境を作ることが得策です。これは、誰かが不正行為の存在を心から信じる場合に、道徳的な動機からスピークアップすることを奨励します。その結果として、究極的には、働く人が安心できる、より協力的でオープンな労働環境を整備することができます。

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